仮想通貨の税金は、個人事業主になった方が有利になると聞いたことはありませんか?

仮想通貨取引を行なっている方は、会社員が多いと思いますが、その場合は仮想通貨の利益は「雑所得」という区分になります。

一方、事業として仮想通貨の取引を行う場合には、所得の区分は「事業所得」となり、税制上、雑所得に比べて様々なメリットを受けることができます。

また、個人事業主として開業し、確定申告を青色申告とすれば、さらに税金を減らすこともできます。

この記事では、個人事業主として仮想通貨の税金を納めるメリットの紹介と、個人事業主として納税するときの確定申告の流れについて説明します。

 

個人事業主・事業者とは

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そもそも個人事業主とは何なのか、というところからきちんと抑えておきたいと思います。

個人事業主とは、小売業や卸売業をしている人をはじめ、賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人のことを言います。

ここで、事業とは、「対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うこと」を言います。

 

仮想通貨取引に当てはめると

仮想通貨取引による所得は、一般的には「雑所得」ですが、以下のような要件を満たせば「事業所得」とすることができます。

  •  仮想通貨取引の収入によって生計を立てていることが明らかであるなど、その仮想通貨取引自体が事業と認められる場合
  •  事業所得者が、事業用資産として仮想通貨を保有し、決済手段として使用するなど、事業所得の基因となる行為に付随したものである場合

先ほど、事業とは繰り返し、継続、独立であるとしていましたが、ここで、「仮想通貨取引の収入によって生計を立てていること」が要件に加わっています。

仮想通貨取引が事業所得として認められるかについては、ケースバイケースなので一概には言えませんが、趣味レベル、お小遣いレベルではダメで、少なくとも「副業レベル」で取引していることが求められると考えられます。

 

仮想通貨取引を個人事業主として実施するメリット

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仮想通貨取引について個人事業主として開業をし、仮想通貨取引を「事業所得」として計上することで得られる、節税メリットは、以下のようなものがあります。

  • 他の所得と損益通算ができるようになる
  • 加えて青色申告をすれば、様々な特典を受けられる

 

節税の上では、どれも非常に強力なメリットです。以下、詳しく説明していきます。

 

個人事業主のメリット①他の所得と損益通算ができる

「仮想通貨(ビットコイン)で資産運用」の写真

仮想通貨の利益が事業所得として計上できる、もっとも大きなメリットとして、「他の所得と損益通算ができる」という点があります。

他の事業所得や不動産所得で損失が出ている場合、仮想通貨で利益を出した分と差し引かれるので、仮想通貨の利益にかかる税金を抑えることができます

また、もし仮想通貨取引で損を出してしまった場合に、他の事業所得や不動産所得と損益通算できるので、仮想通貨取引のリスクを減らせると考えることもできます。

仮想通貨の利益を雑所得として計上する場合には、損益通算はできませんので、いくら仮想通貨で損を出しても、税金が安くなったりはしません。

節税効果はかなり高いです。

 

個人事業主のメリット②青色申告制度の適用による特典を受けられる

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仮想通貨取引の利益に対して、税金を納めるには、所得および税額を計算し、確定申告をする必要があります。

この確定申告の際、「白色申告」と「青色申告」という二つの申告の仕方があります。

仮想通貨の取引を事業として実施している場合、青色申告での確定申告ができるようになりますが、青色申告をすることで様々な節税メリットがあります。

詳しくは、以下の国税庁のウェブページを参照ください。

参考:国税庁|青色申告制度

参考:国税庁|青色申告特別控除

参考:国税庁|中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

 

青色申告制度とは

個人事業主として開業し、青色申告承認申請手続きを行えば、確定申告の際に「青色申告」を選択できるようになります。

青色申告は、ざっくりと説明すると、「一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人は、所得の計算について有利な取扱いが受けられる」という制度です。

青色申告をすることで、仮想通貨の税金に対して、かなりの節税メリットがあります。以下に列挙します。

  • 所得控除(65万円もしくは10万円)を受けられる
  • 家族への給与が全額経費となる
  • 3年間、損失の繰越ができる
  • 30万円未満の固定資産を一括経費として計上できる

 

65万円もしくは10万円の所得控除を受けられる

青色申告をすることで、65万円もしくは10万円の所得控除を受けられます

65万円の所得控除を受けるには、複式簿記という少し複雑な形式での帳簿の管理し、確定申告時に賃借対照表や損益計算書を添付する必要があります。

開業および青色申告を実施だけして、確定申告は白色申告と同様の手続きを実施した場合は、10万円の控除となります。

一見すると、65万円の控除を受けるのは、とてもめんどくさそうですが、最近では会計ソフトなどで、簡単に記帳ができるようになっていますので、きちんと使いこなせれば問題はありません。

青色申告の手続きは面倒も多いですが、せっかく出た利益を減らさないためにも、ぜひ挑戦してみてください。

 

家族への給与が全額経費となる

青色申告をした場合、「青色事業専従者給与」という制度が適用できます。

これは青色申告をした事業について、青色申告者と生計を共にしている配偶者や、その他の15歳以上の親族に支払った給与は、必要経費にすることができるというものです。

ただし、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれませんので、配偶者控除とどちらがお得になるのか、検討をする必要があります。

青色事業専従者給与を適用する場合には、事前に申し出が必要ですので、注意してください。

参考:国税庁|青色事業専従者給与と事業専従者控除

参考:国税庁|青色事業専従者給与に関する届出手続

 

3年間、損失の繰越ができる

仮想通貨は価格変動幅が非常に大きいので、取引の結果、損失を出すリスクも大いにあります。

青色申告をしてしておけば、こういった損失を3年間繰越せます。

つまり、今年は100万円の損失を出してしまい、翌年は200万円の利益を出した場合、翌年の利益を(200万-100万)円とすることができます。

すると課税対象となる所得は200万円ではなく100万円になるので、その分節税になるということです。

 

30万円未満の固定資産が一括経費となる

本来であれば、パソコンなど備品のうち、一括経費として取り扱えるのは、取得価格が10万円未満のものだけです。

ですが、青色申告をした場合、この上限金額が30万円までとなる特例が適用できるようになります。

仮想通貨取引やマイニングに利用する、高価なパソコンなども一括経費として計上できるようになるので、節税効果はかなり高いです。

ただし、この特例を適用できるのは備品1点につき30万円未満で、全ての備品の合計が300万円以下である必要があります。

参考:国税庁|中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

 

開業届と青色申告手続きを事前にする必要がある

「青色決算申告書を記入する」の写真

節税メリットが高い青色申告ですが、確定申告の際に青色申告をするためには、事前に手続きをする必要があります。

手続き自体は難しいものではありませんので、開業届と一緒に、青色申告承認申請手続をしておくのをおすすめします(青色申告の事前手続きをして、結果的に青色申告をしなくても10万円の控除は受けられます)。

参考:国税庁|個人事業の開業届出・廃業届出等手続

参考:国税庁|所得税の青色申告承認申請手続

 

もっと詳しく知りたいなら税理士に相談を

今回は、個人事業主として仮想通貨取引を実施することによる節税メリットについて解説しました。

事業として、副業として、仮想通貨取引(トレード、マイニングなど)を実施するのであれば開業しない手はありません。

青色申告の記帳は少し複雑ですが、最近では会計ソフトなどを使って、取引を入力することで自動的に複式簿記の形式で記帳ができたりもします。

とはいえ、確定申告は1年に1度しか機会がないのでなかなか慣れないし、初めての場合は特に理解が難しいかと思います。

また、個人個人、利益額や取引状況、仮想通貨以外の所得と関係などを考慮すれば全く同じケースというのは存在しません。なかなか自分に当てはめて考えるのも困難かと思います。

そういった場合は、ぜひ税理士に相談ください。

税理士に相談すれば、開業に関することの他、あらゆる税金対策を実施できますし、何より、税理士への報酬は経費として計上することもできます

不明点などあれば、ぜひお気軽に問い合わせください。

 

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